波羅夷
提供: 新纂浄土宗大辞典
はらい/波羅夷
出家教団の規則の中で、破った場合に教団追放となるもの。出家者が絶対に守るべき決まり。Ⓢpārājikaの音写語。波羅市迦などとも音写され、他勝などと意訳される。比丘には①非梵行(性交渉)②盗み③殺生④覚りを得ていないのに覚ったと噓をつくことの四つの波羅夷があり、これを犯した場合には比丘の資格を失い、教団を追放される。比丘尼にはこのほかに⑤摩触(愛欲をもって男性の胴体に触れる)⑥八事成犯(愛欲をもって男性と手をつなぐなどの合計八種の行いをする)⑦覆蔵(他の比丘尼が波羅夷を犯したのを知っているのに隠して言わない)⑧随挙(いさめられても悪見を捨てない比丘につきしたがう)、との四つを加えた八波羅夷がある。また大乗仏教では十波羅夷などが説かれている。
【資料】『四分律』、『十誦律』
【参照項目】➡十重禁戒
【執筆者:石田一裕】