説四衆過戒
提供: 新纂浄土宗大辞典
せつししゅかかい/説四衆過戒
菩薩や比丘・比丘尼に罪があると吹聴することを禁じた戒。このようなことを誰かに教えて、させることも禁止されている。十重禁戒の第六番目の戒であり、菩薩の波羅夷罪である。この戒の名は『菩薩戒義疏』下によるもので、不説他罪過戒、説過戒、説四衆名徳犯過戒、説他罪過戒などともいわれる。菩薩は、仏教徒以外の人や声聞・縁覚が仏教の中に罪過があることを非難するのを聞いた場合、憐みの心をもってそのような人々を教化し、大乗仏教への信仰を生じさせるべき存在である。しかしこれに反して、菩薩自身が仏教の中に罪過があることを説くならば、波羅夷罪とされる。
【資料】『梵網経』、『菩薩戒義疏』
【執筆者:石田一裕】