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空円

提供: 新纂浄土宗大辞典

くうえん/空円

文永五年(一二六八)—正平二年(一三四七)一〇月一三日。善阿。普寂国師。百万遍知恩寺八世。父は山城国賀茂の神官大槻兼実。一三歳で木幡の慈心良空について得度し、後に良忠に師事する。後醍醐天皇の元弘元年(一三三一)七月、疫病が流行した際に勅命を受け、宮中において七日間で百万遍称名を行った。その結果、疫病が止んだことから寺号に「百万遍」を下賜され、また弘法大師御筆とされる利剣名号を賜った。没後、「普寂」の国師号を授けられた。


【資料】『翼賛』五二(浄全一六)、『百万遍知恩寺誌要』(浄全二〇)


【参考】伊藤祐晃「百万遍知恩寺史考」(『浄土宗史の研究』伊藤祐晃師遺稿刊行会、一九三七)


【執筆者:沼倉雄人】