一七巻。一巻から三巻まで散逸。別名『百錬抄』、白楽天の『百練鏡』に由来する。編者未詳。一三世紀末に成立。編年史(平安中期の冷泉天皇から鎌倉中期の後深草天皇)で、貴族の日記の記事から公家社会の動向を伝える。延暦寺衆徒による法然墳墓の破壊や隆寛、空阿弥陀仏、幸西の遠流等いわゆる嘉禄の法難の記事をみる。浄土宗成立前後の社会的動静を知る資料の一助をなす。
【所収】『新訂増補国史大系』一一
【執筆者:魚尾孝久】