浄統略讃
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうとうりゃくさん/浄統略讃
一巻。『浄土源流解蒙』ともいう。懐山述、懐誉霊山修訂補注。元禄九年(一六九六)成立、享保一九年(一七三四)修訂補注。本書は元禄九年、懐山が弟子の霊山のために、諸書を用いて主要な人名や用語を解説したもの。その後霊山は宝永二年(一七〇五)に私見と附録を加えて『浄土源流解蒙』とした。さらに享保一九年、典拠を明示して『浄統略讃』と改称した。本書は支那伝灯、本朝瀉瓶、諸記指南、浄家起原の四篇から構成され、支那伝灯では支那三流と浄土一流祖承(菩提流支、曇鸞、道綽、善導、懐感、少康)の概要を述べ、本朝瀉瓶では法然、聖光、良忠、良暁、定慧、良順、蓮勝、了実、聖冏、聖聡の略伝をのせ、元祖四流、西山四流、鎌倉六流を解説し、諸記指南では『伝通記』『糅鈔』『要集義記』などに引かれる略称を解説する。浄家起原では諡号、大士、禅師、国師、僧正、大僧正、上人、紫衣、香衣、阿号、蓮社号、誉号、四十八夜、十夜、百万遍、三経読誦、三経書写、万部読経、慧遠相承、礼文放光の用語の解説をしている。また『浄統略讃』は鸞宿の『総系譜』編纂に影響を与えたと言われている。
【所収】続浄一七、仏全一〇七
【参考】大島泰信『浄土宗史』(浄全二〇)
【参照項目】➡浄土伝灯総系譜
【執筆者:石川達也】