浄土要略抄
提供: 新纂浄土宗大辞典
じょうどようりゃくしょう/浄土要略抄
一巻。清浄華院五世向阿証賢が、師である同四世礼阿然空の法語をまとめたもの。よって法語は然空のものなるも、文章は向阿による。向阿は「先師礼阿上人が諸人に開示された法語の中より、その最要の者を略抄し、以て浄土の行人の亀鏡に備える」(続浄九・一二九上)という意図のもと、然空の法語を第一厭穢欣浄、第二念仏三心、第三自力他力、第四止悪用心、第五来迎引接の五種の条項にまとめた。本書は宝永二年(一七〇五)に義山により校訂開板されている。同じ然空述、向阿記の書として『心行雑決』がある。
【所収】続浄九
【参考】「浄土要略抄講説」(『大日比三師講説集』上)
【参照項目】➡心行雑決
【執筆者:兼岩和広】