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Z0500 浄土要略抄 然空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0129A01: 感ずべきなり。然るを只佛力を賴むとのみいひて。習
Z09_0129A02: ひ祈らざるは。志のなきの甚しきにこそあれ。只我心
Z09_0129A03: のみにて正念に住すべしと思ふは。佛の御ちかひを
Z09_0129A04: しらず。又其心あてがひは大にあぶなき事ぞかし。さ
Z09_0129A05: れば必ず習ひ祈るといふとも。まめやかに正念をう
Z09_0129A06: る事は。ひとへに佛の御力なるべし。只ふかく賴み仰
Z09_0129A07: ぐべきのみ。もともこれいたれる要なり努々なをざ
Z09_0129A08: りにする事なかれ。
Z09_0129A09: 淨土要略抄
Z09_0129A10: 於先師禮阿上人開示諸人法語之中。略抄其最要
Z09_0129A11: 者。以備淨土行人之龜鏡者也。
Z09_0129A12: 釋向阿在判
Z09_0129B01: 心行雜決
Z09_0129B02: 至誠心深心廻向發願心とは。いかに心得べきぞとの
Z09_0129B03: 御尋。是は能々御心得有べき事なり。一に至誠心とい
Z09_0129B04: ふは。釋には眞實心と釋し給へり。眞實の二字をば。ひ
Z09_0129B05: き合せて。まこと〻よめり。僞なく此たび往生せばや
Z09_0129B06: と思ふを。實とは申す也。但し人に隨ひて。深き淺き
Z09_0129B07: あり。道心ふかき人はまこと深く。道心淺き人は實も
Z09_0129B08: あさし。あさけれども僞なければ。下品には生る〻な
Z09_0129B09: り。二に深心といふは。釋には深く信ずる心と釋せら
Z09_0129B10: れたり。これに二あり。一には機を信じ。二には法を信
Z09_0129B11: ずる也。先ず機を信ずといふは。我身は罪ふかく拙く
Z09_0129B12: して。生死をいづべき緣のなき身ぞと思ひきはむる
Z09_0129B13: なり。二に法を信ずといふは。本願を信ずるなり。こ
Z09_0129B14: れほどあさましき凡夫なれば。我力にては。人間天上
Z09_0129B15: の夢の中の果報だにも。又生る〻事かたかるべけれ
Z09_0129B16: ども。佛の本願に乘じぬれば。淨土往生更に疑なしと

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