じょうどていえん/浄土庭園
浄土曼陀羅をモデルに構成された庭園のこと。浄土思想の流行に伴い、平安時代に盛んに造られたが、現存するものは少ない。庭園の構成は、極楽浄土の世界を具現化することが意図された。すなわち中央に七宝池を象徴する池を設けて中島や橋が造られ、阿弥陀堂を中心に諸堂が配置された。浄土庭園と阿弥陀堂が一体となった景観を伝える現存例として、天喜元年(一〇五三)に建てられた平等院鳳凰堂(国宝)、嘉承二年(一一〇七)の浄瑠璃寺本堂(国宝)、永暦元年(一一六〇)の願成寺阿弥陀堂(国宝)がある。
【参照項目】➡阿弥陀堂
【執筆者:中村琢巳】