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池上霊心

提供: 新纂浄土宗大辞典

いけがみれいしん/池上霊心

大正五年(一九一六)二月二二日—平成一七年(二〇〇五)一月六日。真蓮社実誉道阿不請之友吉水流詠唱の普及に尽力。宗門功労者。山口県厚狭あさ郡楠町(現・宇部市)に生まれ、旧名を穐本勇という。大正一五年(一九二六)兵庫安養寺に入り、昭和四年(一九二九)なだの中勝寺藤井諦心に入門、霊心と改名。灘中学を卒業後、同一二年知恩院において宗戒両脈相承、同一三年佛教専門学校を卒業後、兵役に就く。同二一年陸軍大尉としてニューギニアより帰還した直後、知恩院での第一回詠唱講習会を受講したことで詠唱と出会い、同二六年知恩院布教師詠唱検定委員となり、同三三年に詠唱教導司教区では教化団長、教区議会議長等を歴任、法務大臣表彰や藍綬褒章などを受ける。また同四九年知恩院御忌唱導師、同六二年三上人遠忌の左導師を務め、平成九年(一九九七)には耆宿ぎしゅく待遇。昭和二七年(一九五二)より平成五年(一九九三)まで兵庫観音寺住職。在任中に信徒会館、庫裡書院本堂を再建、中興号を受ける。五重・授戒の開筵は八回に及び、教化者として、吉水流詠唱の育ての親として、説得力のある弁舌で知られた。著書に『みちしるべ』、作詞に五重和讃授戒和讃吉水講音頭がある。


【参照項目】➡吉水流詠唱


【執筆者:清水秀浩】