しょうげんみょうぎしょう/正源明義鈔
九巻。著者は存覚とされるが真偽未詳。本願寺派玄智は『真宗教典志』に偽作説をとり、多くはこれに従う。承応二年(一六五三)以前に刊行されたのが初刊である。法然の生涯を記したもので、全九〇節から構成される。法然と親鸞の関係への言及や、他の法然伝では注目されていない角張成阿弥陀仏などに焦点をあてている所に特長がある。高瀬承厳は『本朝念仏祖師法然上人極伝鈔』を補加筆したものとしている。
【所収】法伝全
【参考】高瀬承厳「正源明義鈔の原型について」(浄土学五・六合併号、一九三三)
【執筆者:藤田真隆】