横機・竪機
提供: 新纂浄土宗大辞典
おうき・じゅき/横機・竪機
自然に三心を具足する者(横機)と順次具足する者(竪機)。三心具足の在り方に、浄土往生を求める心の内に自然に三心を具足する横具三心具足と、「一者至誠心、二者深心、三者回向発願心」等の説明を聞くことにより、次第に虚仮心・疑心などを除いて三心を具足する竪具三心具足とがある。良暁の『浄土述聞口伝切紙』による。ただし、竪機であっても三心を全て具足したならば「横の三心」であるという(浄全一一・五八一下)。また、義山の『観経随聞講録』巻中之一では、『観経』十六観を第一観から順番に行ずる者を竪機、必ずしも第一観から行ずるのではない者を横機としている(浄全一四・五九七下)。
【資料】『授手印』(聖典五/浄全一〇)、『東宗要』四(浄全一一)
【執筆者:市川定敬】