法性寺の空阿弥陀仏(高野の明遍僧都とは別人)が唱えた和讃。空阿はもと天台宗の僧侶だったが後に法然に帰依し、ひたすら念仏のみを称えて経も読まなかったという。『明義進行集』二には「此等の文讃をば只ただ誦する事、その式この上人よりおこれり」(『仏教古典叢書』三四)とあって、空阿が『文讃』という和讃を唱え、「摂益文」を誦して念仏する法式を行うようになったことが分かる。『四十八巻伝』四八にも詳しい。
【参照項目】➡空阿弥陀仏一
【執筆者:伊藤真宏】