撥遣式
提供: 新纂浄土宗大辞典
はっけんしき/撥遣式
仏像・位牌などを修復または浄焚するときに行う儀式。勧請した仏・菩薩を、「本国へ還り給え」と念じて執り行う法会。撥去遣送の略。召請した仏聖衆を本国に奉送することをいう。仏像、石塔、位牌などの「お性根を抜く」などともいう。撥遣する仏像や位牌を壇上に安置し、撥遣作法に使う洒水器などを準備する。念仏一会・讃仏偈・十念後に、宣疏を捧読して撥遣作法を行い、送仏偈を唱える。撥遣には二種の意義がある。一つは、仏像・位牌などを修復するために一時的に撥遣し、修復後再び開眼する場合である。二つは、古損の仏像・位牌などを最終の供養をして浄焚する場合である。
【参考】板倉貫瑞『蓮門小子の枝折』(浄土宗宗務庁、一九七一)
【執筆者:福西賢雄】