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広・略・要

提供: 新纂浄土宗大辞典

こう・りゃく・よう/広・略・要

経論釈書の内容理解における三科の方法。広とは広く全般を読んで理解すること、略とは全体から一部分を取り出し理解すること、要とはかなめとなる部分を取り出し理解すること。法然は『往生要集釈』に「此の往生要集に付いて広と略と要と有り。広と云うは此の一部三巻に序・正・流通有り。厭離等の十門をたばねて以て広と名く。…又略とは助念方法の中の惣結要行の法是れなり。…要とは念仏の一行に約して勧進する文是れなり」(昭法全一九~二四)という。良忠は『選択集』について『決疑鈔』五に「十六句は集の大意なり」(浄全七・三四三下)といい、第一六章「夫欲速」から以後の八一字をもって略選択とする。善導は『往生礼讃』前序(浄全四・三五七上他)で要略広の三懺悔を述べる。日蓮宗では『法華経』について、法華経一部八巻二八品を広、方便品・寿量品等の特定の品を略、南無妙法蓮華経題目を要であるとした上で、広略を捨てて要をとる。


【参考】石井教道『選択集全講』(平楽寺書店、一九五九)


【参照項目】➡三懺悔


【執筆者:永田真隆】