大行
提供: 新纂浄土宗大辞典
だいぎょう/大行
—唐・乾符六年(八七九)。斉州(山東省歴城県)の人。著書に『宗崇念仏』があったとされる。泰山に入って修行し、最初は法華普賢懺法を修行したが、この身が無常であることを悟って来世を願うようになり、『阿弥陀経』を手に入れて日夜読誦し、ついに三昧発得して阿弥陀仏を観見した。その後、「信憶称敬」の四字を浄土修行の標語として掲げ、道俗に念仏を弘通した。『念仏鏡』によると、相好を観じない口称念仏のみを行い、読経よりも口称念仏の価値を重んじたという。宮中に召されて常精進菩薩の号を賜り、さらに開国公の封号を与えられて一年の後に遷化した。
【資料】『華厳経随疏演義鈔』(正蔵三六)、『念仏鏡』(正蔵四七)、『宋高僧伝』(正蔵五〇)、『瑞応刪伝』(正蔵五一)
【参考】望月信亨『中国浄土教理史』(法蔵館、一九七八)
【執筆者:工藤量導】