切割笏
提供: 新纂浄土宗大辞典
きりがいしゃく/切割笏
割笏の打ち方の一つ。誦経の際に打ち鳴らして緩急を整えるために、一定の法則に従って打つ方法。祈願の法要以外に用いる(祈願のときは責め割笏または責打といい、木魚と同様に合間に打つ)。切割笏は字句の前に打つ頭打ちで、御忌などの法要に用いる。関西では、知恩院所蔵の華頂宮所持の経本に割笏を打つ附点があり、これに基づいて割笏を打って三部経を誦経する。基本となる打ち方は、「○大山大聖 ○不動明王 ・石尊△大権現 △大天狗△大権現」などのように、四字一句を大(○)、五字一句を二字と三字とに分け、二字を小(・)、三字を中(△)として、字句によって小中大と音量を変化させている。増上寺では、かつては大・小の二種類の打ち方であったといい、細かく打たない「間抜け割笏」があった。関東では「きざみ割笏」ともいい、切割笏でもあまり早く読まない。縁山流の他には、伝通院・天徳寺・霊巌寺に各々の打ち方があった。
【参照項目】➡割笏
【執筆者:渡辺俊雄】