円通
提供: 新纂浄土宗大辞典
えんつう/円通
宝暦四年(一七五四)—天保五年(一八三四)九月四日。字は珂月、無外子または普門とも号す。姓は山田氏とされるが両親は不明。因幡の人。はじめ日蓮宗において出家するが後に天台宗に改宗。西洋天文学による仏教信仰の破壊を嘆き、梵暦の復興を計るため仏教的天文学の立場から『仏国暦象篇』五巻を著し、西洋天文暦法を非難した。これに対して伊能忠敬は『仏国暦象篇斥妄』を著して反論している。晩年には増上寺に招かれ山内において暦法を講じた。著書には他に『須弥山儀銘並序和解』(『須弥山儀図』)二巻、『縮象儀』などがある。
【資料】『続日本高僧伝』九(仏全一〇四)
【参考】大島泰信『浄土宗史』(浄全二〇)
【執筆者:沼倉雄人】