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須弥山

提供: 新纂浄土宗大辞典

しゅみせん/須弥山

古代インドの世界観において、世界の中央にそびえるとされる山の名前。Ⓢsumeru。須弥楼、蘇迷盧などとも音写され、妙高山などと訳される。須弥山を中心とする世界観は須弥山説と呼ばれ、仏典においても広く取り入れられている。須弥山の様相については、『俱舎論』一一が次のように示している。須弥山の高さは八万由旬(一由旬を七・二キロメートルと仮定すると、海面からは五七万六千キロメートル)で、海中にも同様の分だけがあるとされる。形は砂時計のような形状の四面体で、その四面は東が銀、西が水晶、南が瑠璃、北が金からできている。山頂は一辺が八万由旬の正方形で宮殿や林があり、三十三天が住んでいる。須弥山の上空や中腹も神々の住む所となっている。高さについては八万四千由旬といわれたり、四面を形成する宝石の種類なども経論によって微妙に異なり、一定していない。なお『無量寿経』には、極楽世界には須弥山がなく、この世界と異なる様相であることが記されている(聖典一・二三六/浄全一・一二)。


【参照項目】➡世界由旬


【執筆者:石田一裕】