像法決疑経
提供: 新纂浄土宗大辞典
ぞうほうけつぎきょう/像法決疑経
一巻。成立年時不詳。訳者不明。中国撰述とする説が有力。釈尊入涅槃の直前に布施の法門を説いたものである。経録では『歴代三宝記』(巻一三「大乗修多羅失訳録」)や『衆経目録』(法経録)とそれ以降に成立したものに記載が見られるが、いずれもインド成立が疑わしいとして扱われている。日本への伝来時期は定かではないが、『登山状』(聖典四・五〇二)に引用され、これが『四十八巻伝』に孫引きされており、また弘安八年(一二八五)の刊本が残されていることから、古代末から中世初頭には流布していたようである。
【所収】正蔵八五
【参考】牧田諦亮『牧田諦亮著作集』一(臨川書店、二〇一四)
【執筆者:郡嶋昭示】