五会念仏
提供: 新纂浄土宗大辞典
ごえねんぶつ/五会念仏
念仏の称え方の一つ。称える速度を五段階に変化させ、それに伴って音階も変化させていく称え方。法照が唐・永泰二年(七六六)四月、『無量寿経』上の「清風、時に発って、五音の声を出だす」(聖典一・二四〇/浄全一・一五)との説にもとづいて創作した。法照の『浄土五会念仏略法事儀讃』によると、第一会では平声(通常の高さ)で緩やかに「南無阿弥陀仏」と称え、第二会では平上声(やや高め)で緩やかに、第三会は普通の速さ、第四会はだんだんと速く、そして第五会では非常に速く「阿弥陀仏」の四字のみを称える。第三会以降には音階の指定はないが、速度の変化によって音階も高くなるのであろう。これらを適宜儀礼の中に配置することによって、大衆の意識を高揚させる一助としたものと考えられる。
【参照項目】➡法照、五会法事讃、浄土五会念仏略法事儀讃
【執筆者:曽和義宏】