不供養経典戒
提供: 新纂浄土宗大辞典
ふくようきょうてんかい/不供養経典戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第四四戒。仏弟子たる者、一心に大乗の経律を受持し読誦し、皮膚を剝いで紙とし血を流して墨とし髄を水とし骨を筆としてまでも仏戒を書写すべきであって、木の皮でも何でも書き写すことができるものには悉く書き写して所持すべきであるとする。また、それを入れる箱も七宝の無価の香花や種々の宝玉でできたものを用意すべきであり、もし如法に供養しないのであれば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。なお大乗の経律は『梵網経』のこととされる。仏戒についても同様に言えよう。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【執筆者:袖山榮輝】