一風
提供: 新纂浄土宗大辞典
いっぷう/一風
—大永元年(一五二一)五月八日。西蓮社慶誉。また明泉ともいう。京都生まれの貴種とも伝えられるが、詳細は不詳。剃髪の師は知恩院二三世愚底である。浄土教に通じた一風は、後土御門天皇の帰依を受け、山城国にある報恩寺の中興開山となった。当寺はもと法園寺といい、天台・浄土兼学の寺院だったが、一風の止住以来、改称し浄土のみを宗とするに至った。文亀元年(一五〇一)に後柏原天皇より仏舎利および仏具を賜り、また翌年には勅額を賜っている。
【資料】『鎮流祖伝』四(浄全一七)、『蓮門精舎旧詞』三(続浄一八)、『浄土宗寺院由緒書』上(『増上寺史料集』五)
【参考】『浄土宗鳴虎報恩寺史』(報恩寺、一九八三)
【参照項目】➡報恩寺二
【執筆者:加藤弘孝】