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餓鬼飯

提供: 新纂浄土宗大辞典

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がきめし/餓鬼飯

盆に餓鬼無縁仏に施食する飯。餓鬼の飯ともいう。日本では、餓鬼が飢渇に苦しんで得脱できないのは子孫が供え物をしないからだと考え、無縁仏と同義語となり、餓鬼無縁仏を懇ろに祀るようになった。盆の精霊棚の傍らに先祖の供物とは別にして、土器・柿の葉に餓鬼飯を供える地域がある。生飯さばだい施餓鬼会餓鬼壇に供えることは餓鬼飯と同類の施食といえる。佐渡の河原田などで、死者にホトケメシを供える際にも、盆の精霊棚と同様に、別に小皿に少し取り分けて置く飯をいい、ホトケの飯も人間は食べてはいけないものとされている。香川県小豆島町草壁では、別当川の河原で臨時の竈を築いて飯を炊き、水辺の岩の上に柿の葉を敷き、精進の五目飯を盛り付けて無縁仏供養する盆行事をいい、川めし・川施餓鬼ともいう。また盆竈ぼんがまという地域もある。


【参考】柳田国男『葬送習俗語彙』(国書刊行会、一九七五)


【参照項目】➡生飯盆行事


【執筆者:西城宗隆】