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「阿弥陀経義疏」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:17時点における最新版

あみだきょうぎしょ/阿弥陀経義疏

阿弥陀経』の注釈書の総称。『阿弥陀経』の注釈書は数多く、①中国・朝鮮、②日本に分けて挙げると以下のようなものがある。①伝智顗阿弥陀経義記』、慧浄『阿弥陀経義述』、基の撰とされる『阿弥陀経疏』、同『阿弥陀経通賛疏』、元暁阿弥陀経疏』など、②源信阿弥陀経大意』、法然阿弥陀経釈』、観徹阿弥陀経合讃』、義山阿弥陀経随聞講録』など、以上の他にも多数の注釈書が存在し、東アジアにおけるこの経典の広まりが理解される。


【参照項目】➡阿弥陀経已決阿弥陀経勧持序阿弥陀経義記阿弥陀経義疏聞持記阿弥陀経句解阿弥陀経疏鈔事義阿弥陀経直解正行阿弥陀経十講阿弥陀経釈阿弥陀経疏阿弥陀経諸解総目阿弥陀経疏西資鈔阿弥陀経疏鈔阿弥陀経疏鈔演義阿弥陀経疏鈔擷阿弥陀経疏鈔問弁阿弥陀経新疏阿弥陀経大意阿弥陀経摘要易解阿弥陀経通賛疏阿弥陀経の大意をのべ給いける御詞阿弥陀経約論阿弥陀経要解阿弥陀経略解阿弥陀経略解円中鈔阿弥陀経略註阿弥陀経略記三経随聞講録小経直談要註記浄土三部経合讃


【執筆者:石田一裕】


一巻。宋・元照述。『阿弥陀経』の注釈書。元照がんじょう律宗高僧であり、また宋代を代表する浄土教家。本書は、序分・義門・正釈門の構成で、義門では教・理・行・果の四科(章)を設けて経の綱要を述べ、正釈門では経題の解説の後に経文を序分正宗分流通分にわけて解釈する。経文の「執持名号」に注目し、浄土往生には、阿弥陀仏の名をたも念仏を重視するなか、とくに称名念仏を最重視し、称名念仏は余行に比して善根が勝ることを力説する。その念仏善根説の典拠として、当時、襄陽(湖北省)に現存した「石刻本阿弥陀経」の経文を引用する。本書では『十疑論』を重視するが、善導思想の影響が顕著な点が中国浄土教史上の特色である。末疏に戒度の『阿弥陀経義疏聞持記』がある。


【所収】浄全五、正蔵三七、続蔵二二


【参考】佐藤成順「元照『阿弥陀経義疏』について」(『宋代仏教の研究』山喜房仏書林、二〇〇一)、吉水岳彦「元照『観経新疏』と『阿弥陀経義疏』の関係について」(『三康文化研究所年報』三八、二〇〇七)


【参照項目】➡襄陽石刻阿弥陀経阿弥陀経義疏聞持記


【執筆者:佐藤成順】