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小経直談要註記

提供: 新纂浄土宗大辞典

しょうきょうじきだんようちゅうき/小経直談要註記

八巻。『阿弥陀経直談要註記』『阿弥陀経要註記』『小経要註記』ともいう。聖聡撰。永享七年(一四三五)成立。『阿弥陀経』についての註釈書。聖聡による「浄土三部経」の註釈書の一つで、この他に、『大経直談要註記』があるが、『観経直談要註記』は現存しない。科段は来意分・釈名分・訳人分・依文解釈分の四に大別され、さらに依文解釈分を細分して解釈を施している。全体の構成としては、まず良忠の『法事讃私記』の文を引用し、それから聖聡の私釈がなされている。またばつには、本書の巻前に法然の『阿弥陀経釈』を置き九巻であったことが記載されているが、現存するのは聖聡撰の八巻のみとなっている。教学的には、師の聖冏の『二蔵義』の影響を受けている部分も見られる。版本として慶安元年(一六四八)、無刊記(慶安版の覆刻か)、元禄年間(一六八八—一七〇四)のものがある。


【所収】浄全一三


【参考】岸一英「『小経直談要註記』」(大谷旭雄編『聖聡上人典籍研究』大本山増上寺、一九八九)


【参照項目】➡大経直談要註記


【執筆者:岸一英】