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「阿弥陀仏の研究」の版間の差分

提供: 新纂浄土宗大辞典

 
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2018年3月30日 (金) 06:18時点における最新版

あみだぶつのけんきゅう/阿弥陀仏の研究

矢吹慶輝著。明治四四年(一九一一)二月、丙午出版社より初版刊行。昭和一二年(一九三七)明治書院より増訂再版刊行。同五六年九月、臨川書店より復刊。近代における浄土教の批判的研究の嚆矢といえる書。本書は『無量寿経』を中心とし正明傍明浄土諸経典を補助的に駆使して縦横に仏教他力思想を探究する。序論および附録は主に阿弥陀仏信仰の外面の事情を文献的かつ歴史的に明らかにする。序論の第一篇は阿弥陀仏ならびに極楽の名義について、第二篇は阿弥陀仏及び極楽思想の起原について両者の外来説と印度内部起原を論じ、加えて神話起原、阿弥陀仏本生譚をのべる。第三篇は阿弥陀仏ならびに〈無量寿経〉の成立地及び其年代について、本論は第一篇が仏陀論、第二篇は信行論、第三篇は往生浄土、第四篇は罪悪論で構成される。本論は阿弥陀仏信仰の淵源を釈尊に対する信仰の発達、もしくは変形に求め、本願による救済慈悲の摂取、仏国土の成就等の信仰内容とその幇助としての神話性を仏教本来の性質、内部の発達と捉えている。特に仏陀論では、歴史上の仏陀、滅後の仏陀法身報身観念を追究し、阿弥陀仏報身論の形成を明らかにしている。附録はこれらを文献資料によって裏付けるもので漢訳浄土経論表等を付す。


【執筆者:大南龍昇】