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五如来

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごにょらい/五如来

施餓鬼会において本尊に位置付けられる宝勝ほうしょう色身みょうしきしん甘露かんろおう広博身こうばくしん離怖畏りふいの各如来の総称。浄土宗では法会中に「南無宝勝如来なむほうしょうにょらい 除慳貪業福智円満じょけんとんごうふくちえんまん 南無妙色みょうしき如来 破醜陋形円満はしゅるぎょうえんまん相好 南無甘露かんろ如来 法身心令受快楽かんぽうしんじんりょうじゅけらく 南無広博身こうばくしん如来 咽喉広大飲食受用いんこうこうだいおんじきじゅゆう 南無離怖畏りふい如来 恐怖悉除離餓鬼くふしつじょりがきしゅ」と唱えて、各如来帰依し各々の利益を称讃する。これは不空訳『施諸餓鬼飲食及水法』に典拠が求められるもので、そこでは五如来名号を唱えることで一切餓鬼等の罪が滅せられ福が生じ、さらには餓鬼は妙色・広博の身を得、恐れおののくこともなく、飲食を得れば甘露美妙の食に変じて、速やかに苦しみの身を離れて浄土生天するという(正蔵二一・四六七下~八上)。施餓鬼会は広く各宗において営まれるが、施餓鬼を説く仏典のなかには四如来七如来を伝えるものもあり、七如来を奉る宗派・教団もある。なお真言密教の『秘蔵記』本は宝勝如来を南方宝勝仏に、以下、妙色身を東方阿閦あしゅく仏に、甘露王を西方無量寿仏に、広博身を中央毘盧遮那仏に、離怖畏を北方釈迦牟尼仏に見立てている(正蔵図像一・六下)。


【資料】『仏説救抜焰口餓鬼陀羅尼経』、『瑜伽集要救阿難陀羅尼焰口軌儀経』


【参考】板倉貫瑞『蓮門小子の枝折』(浄土宗宗務庁、一九七一)、福西賢兆『図説浄土宗の法式』第三巻法要篇Ⅱ(斎々坊、一九九二)


【参照項目】➡施餓鬼会五如来幡七如来


【執筆者:袖山榮輝】