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三願転入

提供: 新纂浄土宗大辞典

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さんがんてんにゅう/三願転入

親鸞撰『教行信証』に述べられる親鸞の入信過程。浄土真宗において方便の願とされる第十九願(諸行往生)、第二十願(自力念仏往生)を経て、真実の願である第十八願(他力念仏往生)へ到る次第をいう。『教行信証』化身土巻、「ここを以て愚禿釈の鸞、論主の解義を仰ぎ、宗師の勧化に依りて、久しく万行諸善の仮門を出でて、永く双樹林下の往生を離る。善本徳本真門に回入して、偏に難思往生の心を発しき。然るに今、まこと方便真門を出でて、選択の願海に転入せり。速やかに難思往生の心を離れて、難思議往生を遂げむとねがう。果遂の誓、まことに由あるかな。ここに久しく願海に入りて深く仏恩を知れり」(正蔵八三・六三二下)との述懐を、往生の因を説く三願である第十九願(要門、双樹林下往生)、第二十願(真門、難思往生)、第十八願(弘願、難思議往生)に配当し解釈した名目。三願転入親鸞信仰体験の事実か否か、事実であるならばそれぞれの時期は何時に相当するのか、三願転入は第十八願に入るために必ず経験しなければならないものかなど、古来その解釈には諸説がある。


【参考】村上速水『親鸞教義の研究』(永田文昌堂、一九六八)


【参照項目】➡三願


【執筆者:上杉智英】