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弘願

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぐがん/弘願

広弘誓願の意。すべての衆生をひとしく救おうと誓った願いのことで、浄土教ではとくに阿弥陀仏本願のことをいう。真宗では要門の対。道綽の『安楽集』下に「具に弘願を発して諸の浄土を取りたもう」(浄全一・七〇二上正蔵四七・一八上)とあるのが初出で、善導はこれを別意べっち弘願とし、『観経疏』玄義分に「弘願と言うは『大経』に説くが如し、一切善悪の凡夫、生ずることを得ることは、皆阿弥陀仏大願業力に乗じて増上縁と為さずと云うこと莫し」(聖典二・一六二/浄全二・二上)と述べている。すなわち、弘願とは総じて阿弥陀仏四十八願を指し、別しては第十八願をその主眼とする。この弘願について、法然門下の三派ではそれぞれ解釈を異にしており、鎮西義では総じて四十八願、別しては第十八・第十九・第二十・第三十五の四願を意味し、その要は第十八願にあるとする。西山義では行門・観門・弘願門の一つとし、真宗では要門真門弘願門の一つとして、それぞれ第十八願を意味するとしている。


【資料】良忠『伝通記』玄義分記一(浄全二)、同『東宗要』一、良栄理本『浄土宗要集見聞』第一見聞第二(共に浄全一一)


【参照項目】➡要門鎮西流西山流行門・観門・弘願門弘願義


【執筆者:廣川堯敏】


—元禄六年(一六九三)五月二三日。あざなは聴誉。増上寺二四世露白法嗣となる。後に洛西の地蔵院の中興。洛北八瀬の求願寺の開山


【資料】『総系譜』中(浄全一九)


【執筆者:田中芳道】