一巻。著者は大坂藤田寺の学匠経歴。寛政一一年(一七九九)成立。伝聖光作とされる『識知浄土論』を註解したもの。解釈を大意、釈名、入門解釈の三段に分け、大意をさらに、一に造論の素意を述べ、二に論の大略を分別し、三に論の元意を料簡し、四にこの論と『徹選択』との同異を料簡し、五にこの論の流伝の興廃を明す、の五段に分けて説明している。
【所収】浄全一〇
【執筆者:伊藤弘道】