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顕性

提供: 新纂浄土宗大辞典

けんしょう/顕性

見性ともいう。生没年不明(一遍が没した正応二年〔一二八九〕以前に没)。長門に生まれ、顕実(朝日山信寂房門下)や、証空西山流祖)、覚入(同・東山義)などに師事。備後蓮台院に住して半自力半他力三心所廃義を唱えた。一遍は『播州法語集』に「長門の顕性房の三心所廃の法門はよく立てたり。然れば往生をとげたり」と称讃した。門弟一向俊聖・観蓮・快喜がいる。三十年余を高野山で過ごした「松蔭顕性房」(浄土仏教古典叢書一言芳談抄』下、一)と同一人物かは不明。


【資料】『源流章』(浄全一五)、『吉水法流記』(『東洋学研究』三〇、一九九三)、『法水分流記』(野村恒道・福田行慈編『法然教団系譜選』青史出版、二〇〇四)、行観『観念法門秘鈔』


【参考】藤原猶雪「親鸞聖人晩年の周囲に関する二三の史実」(『真宗史研究』大東出版社、一九三九)


【参照項目】➡半自力半他力


【執筆者:稲田廣演】