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雑毒虚仮心

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぞうどくこけしん/雑毒虚仮心

三心のうち特に至誠心を発さず、慚愧の念も発さない心のことで、至誠心の対語。「雑毒の善」「虚仮の行」については善導観経疏』の至誠心釈の部分に「貪瞋邪偽奸詐百端とんじんじゃぎかんさひゃくたんにして、悪性め難く、事蛇蝎だかつに同じきは、三業を起すといえども名づけて雑毒の善とし、また虚仮の行と名づく」(聖典二・二八八/浄全二・五五下)といい、欲や偽りにまみれた心を指すとしている。「雑毒虚仮心」とは聖光が『浄土宗名目問答』上で「相伝に云く、雑毒虚仮の心無く真実の心を以て往生極楽を願じ、真実の心を以て往生極楽の行を修す、これを至誠心と名づく」(浄全一〇・四〇〇下)といって至誠心の反対の意として取り上げたために使用されるようになったと考えられる。


【参照項目】➡雑毒虚仮念仏誑惑念仏雑毒の善


【執筆者:郡嶋昭示】