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開教区

提供: 新纂浄土宗大辞典

かいきょうく/開教区

浄土宗が海外において組織的、継続的に活動するために指定した区域をいう(「宗規第一七号」)。浄土宗が制度的に開教を開始したのは、明治三一年(一八九八)四月一四日に開教制度が定められ、同年八月六日の教令で具体化されてからである。制定された開教区のうち、第一開教区(鹿児島県奄美諸島、沖縄県)を除く海外開教区は次のとおりであった。第二開教区(台湾各地・澎湖島)、第三開教区(韓国京城、仁川、釜山、元山、木浦、鎮南浦)、第四開教区(ハワイ)。さらに同三八年に、清国(後の満州、中華民国)、同四〇年に樺太、昭和三年(一九二八)に北米、同八年に南洋、同二八年に南米が開教区に認定された。同一九年当時の開教区寺院・教会所数は、『浄土宗寺院年鑑』によれば一七一を数えている。しかし、同二〇年の第二次世界大戦終結によって、台湾、朝鮮、樺太、満州、中華民国、南洋の各開教区は閉鎖され、その後ハワイ開教区北米開教区、そして戦後に新設された南米開教区の三開教区が、他に開教区に準ずる地域としてオーストラリア開教地とフランス開教地が指定されている。


【参考】『浄土宗海外開教のあゆみ』(浄土宗開教振興協会、一九九〇)


【執筆者:水谷浩志】