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野島宣道

提供: 新纂浄土宗大辞典

のじませんどう/野島宣道

明治二七年(一八九四)九月七日—昭和五六年(一九八一)七月一五日。青蓮社成誉正阿無量子、俳号を無量子と自称す。奈良教区極楽寺一九世。宗門功労者。奈良県桜井市極楽寺で生まれ、大正五年(一九一六)佛教専門学校を卒業。大正七年から昭和二一年(一九一八—一九四六)まで極楽寺住職。昭和の名布教師と賞賛され、法然上人七五〇年大遠忌のときに、総本山知恩院布教師会会長を務めて後、同会顧問に就任する。従来の高座説教の形式ではなく、黒板を使う板書説教を確立し、説法の指標を表した。特に形式にとらわれない、融通無礙の説教内容で、俳句等の句を朗々とした節回しで詠むなどした。また五重相伝勧誡等で感銘を受けた受者が、その後も法話の席に足を運んだ。特に俳句では、高浜虚子に付き、「ホトトギス」俳句会員であった。浄土宗宗議会議員一期総本山知恩院耆宿待遇、浄土宗一宗功労賞を受ける。世寿八八歳。著書に句集『彼岸』、『後彼岸』、五重勧誡集『浄土宗選集第一〇巻 信仰の道』、『帰依の大道』『五重法話』『浄土の道』『授戒講話』『善導大師と二河白道』がある。


【執筆者:神田眞晃】