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迎え火・送り火

提供: 新纂浄土宗大辞典

むかえび・おくりび/迎え火・送り火

盆のはじめに精霊を迎えるために焚く火を迎え火、盆の終わりに精霊を送るために焚く火のことを送り火という。焚く日時は地方によって違いが大きい。家の門で焚く場合には門火かどびと呼ばれることもある。七日・二〇日などにも焚く地域、送り火だけの地域、両方とも焚かない地域などもある。また焚く場所も家の門、墓地、田畑のあぜ、道の辻、川辺、山など様々である。火は各家で焚く場合と地域共同で焚く場合がある。各家で焚く場合には、苧殻おがらや藁が用いられることが多い。地域共同で焚く事例としては、京都の五山送り火を挙げることができ、毎年八月一六日の晩に大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形に火を灯し精霊を送る。


【参考】和崎春日「送り火大文字—万灯の諸相—」(藤井正雄他編『仏教行事歳時記八月 万灯』第一法規出版、一九八九)、大東俊一「京都人の死生観」(『人間総合科学会誌』二—一、人間総合科学大学人間総合科学会、二〇〇六)


【参照項目】➡盆行事


【執筆者:名和清隆】