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行誡上人全集

提供: 新纂浄土宗大辞典

ぎょうかいしょうにんぜんしゅう/行誡上人全集

梶宝順編。明治三二年(一八九九)三月、仏教学会発行。明治仏教界の泰斗である福田行誡の著作を集めたもの。全集刊行の経緯は「行誡上人全集発行につきて」の中で、梶宝順が行誡の遺文の散逸を恐れ、法嗣である福田循誘と相謀り、明治二七年(一八九四)以来行誡の著作に係るものをあまねく蒐集したとある。本書の構成は論考・法語のほか、紀行・書簡・遺書・詩文・和歌を収録し、河瀬秀治の略伝や行誡の逸事も収めている。その後梶宝順は内容を増補し全集を前篇・後篇の二冊に分け、同三六年七月に前篇を、同三九年一〇月に後篇を、それぞれ東光社から出版している。ここで梶宝順は「行誡上人年譜」を作成して行誡の行年を八三歳から八〇歳に訂正している。


【参考】小此木輝之「福田行誡研究ノート」(『日本仏教史学』一九、一九八四)


【執筆者:石川達也】


望月信道編。増補改修版。昭和一七年(一九四二)九月、大東出版社刊。梶宝順によって出版された『行誡上人全集』に、望月信道が『徳本行者伝』と『陣言』を追加し構成を改めて刊行したもの。また同五二年六月には峰島旭雄解題を添えて覆刻版が刊行された。


【参考】小此木輝之「福田行誡研究ノート」(『日本仏教史学』一九、一九八四)


【執筆者:石川達也】


つぶさには『平成新修福田行誡上人全集』。全八巻・別巻二巻。大正大学福田行誡上人全集刊行会編。平成二一年(二〇〇九)~二五年、USS出版刊。それまでに刊行された全集に含まれていない多くの著作や遺品も可能な限り蒐集して収めたもの。第一巻『著書篇・序辞篇』、第二巻『論稿篇』、第三巻『法語法話篇・詩歌篇』、第四巻『伝記篇・日記書簡篇』、第五巻『評論篇』、第六巻『公文書篇・補遺篇』、第七巻『研究篇』、第八巻『明教新誌篇』、別巻一『行誡上人資料篇』、別巻二『行誡上人遺墨集』より構成される。


【執筆者:編集部】