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発露懺悔

提供: 新纂浄土宗大辞典

ほっろさんげ/発露懺悔

過去から現在にいたるまでに作ってきた罪や悪業を、隠すことなくすべて懺悔告白すること。発露悔過ともいう。諸経典にもしばしばみられ、『大般涅槃経』六には「罪を犯すことあらば教えて発露懺悔して滅除せしむ」(正蔵一二・三九六下)とあり、また『大方等大集経』二九には「過去の穢行を発露懺悔し、現世の諸悪は乃至失命まで終に之をなさず」(正蔵一三・二〇三上)とある。善導はさまざまな懺悔を説いているが、『往生礼讃』では「或は四衆に対し、或は十方の仏に対し、或は舎利尊像大衆に対し、或は一人に対し、若しくは独自等なり。また十方虚空三宝及び尽衆生界等に具さに向かいて発露懺悔す」(浄全四・三七四上正蔵四七・四四七上)と述べ、また『仏名経』を引いて「いま三宝の前・法界衆生の前にて発露懺悔して敢えて覆蔵せず」(同)と述べている。さらに『法事讃』上にも身口意三業に犯した罪を懺悔すべきことを説き、それぞれ懺悔文を唱えたあとに、「いま道場凡聖に対し発露懺悔し、永く尽くして余なからしめよ。懺悔しおわり至心阿弥陀仏帰命したてまつる」(浄全四・二七下~八下/正蔵四七・四三六中~下)とある。『観念法門』でも、身口意業によって造られた罪をありのままに発露懺悔し、懺悔したならば念仏すべきことを説いている。


【執筆者:齊藤隆信】