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満福寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

まんぷくじ/満福寺

福島県田村郡小野町小戸神。東堂山寂静院。福島教区№八五。征夷大将軍坂上田村麻呂が東征のとき、急死した愛馬のためこの地に徳一(七六〇?—八三五?)作の観音、不動、毘沙門像を安置したのがはじまりといわれる。大同二年(八〇七)には戦勝と人馬の供養・感謝の意を込め御堂が建立される。その後諸宗が住持するも、元亀元年(一五七〇)名越派奥州本山専称寺(いわき市平山崎)の一〇世良拾が中興開山となり、専称寺末の浄土宗寺院となった。大石垣、仁王門、毘沙門堂、観音堂などがあり、馬や家畜守護の秘仏観音像は、年に一度五月三日の例大祭に開扉される。亜欧堂田善筆の絵馬「油彩洋人曳馬図」は県重要文化財。巨岩上にある「蜘蛛流」の鐘楼は町重要文化財。


【資料】『蓮門精舎旧詞』四九(続浄一八)、『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)


【執筆者:渡部伸一】