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浄土論註要文抄

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどろんちゅうようもんしょう/浄土論註要文抄

二巻。長西撰。曇鸞往生論註』の註釈書。金沢文庫保管。戦前の研究においては『往生論註光明抄』と称して引用が散見されたが、戦後の金沢文庫の保管目録には当該書名が見出せず、所在不明とされていた。巻子本二巻という形態や戦前の引用と所述内容が重なることなどから、現在の目録にて『浄土論註要文抄』と称される典籍が『往生論註光明抄』と同一書と考えられる。『往生論註』に関する中世の浄土教資料は現存するものが少なく、貴重な典籍である。


【参考】塚本善隆「金沢文庫所蔵浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(浄土学五・六、一九三三)、岸章二「金沢文庫所蔵観経疏光明抄玄七第五(?)と同序三第一の本文及びその解説と光明抄研究の一問題」(『宗学研究』一一、一九三五)、安井広度『法然門下の教学』(法蔵館、一九六八)、石田充之『法然上人門下の浄土教学の研究』下(大東出版社、一九七九)


【執筆者:吉田淳雄】