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浄土宗便覧

提供: 新纂浄土宗大辞典

じょうどしゅうびんらん/浄土宗便覧

吉水融我著。二巻。前編は明治二六年(一八九三)五月、後編は同年九月、ともに仏教公論社より刊行。著者である融我は宗門の俊才、前途有望の人とされながら、同二九年に世寿三〇にして夭折した学僧。本書は同友である吉岡呵成の援助により発刊され、呵成の遺稿集『沛雨遺書』にも収録された。前編が第一章・綱領、第二章・史伝、第三章・宗義、後編が第四章・行儀、第五章・余論と附録からなり、前編は宗乗の確認、後編は当時における実践仏教的な内容が説かれる。西洋哲学やキリスト教による思想的な時代影響を意識しつつ、伝統宗学的見地の正当性を示す。


【参考】『浄土教報』二五一(浄土教報社、一八九六)


【参照項目】➡吉岡呵成


【執筆者:後藤真法】