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散華荘厳文

提供: 新纂浄土宗大辞典

さんげしょうごんもん/散華荘厳文

道場散華四方散華など、道場やその場を華で荘厳供養するときに唱える文。「散華荘厳光明さんげしょうごんじょうこうみょう 荘厳宝華以為帳しょうごんほうけいいちょう 散衆宝華遍十方さんしゅほうけへんじっぽう 供養一切諸如来くよういっさいしょにょらい」。『四分律行事鈔』上四(正蔵四〇・三六下)に出る。ここには「『華厳経』にいわく」とあるが、『六十華厳』には「放華荘厳光明 荘厳妙華以為帳 散諸雑華遍十方 供養一切諸如来」(正蔵九・四三五上)と、一部相違がみられる。華を散らして浄らかな光を放つ仏を荘厳し、この宝華をもってとばりとし、宝華をあまねく散らして一切の仏を供養せん、との意。『法要集』(明治四三年版)には灌仏会で花御堂の誕生仏供養に「灌沐偈」の前にこの文を博士付きで載せる。節は「香偈」と同じだが四句目も同じ節になっている。『法要集』では音声の指示はないが、道場散華四方散華では「香偈」と同じ節で、散華師の威儀を見ながら、殿司でんすなどが唱える場合がある。


【執筆者:巖谷勝正】