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念仏大意

提供: 新纂浄土宗大辞典

ねんぶつたいい/念仏大意

一巻。成立年次不明。法然のものと伝えられる文献。『西方指南抄』下末、『和語灯録』二などに所収。今は末法万年のため、諸行を成就することは困難で、一向専修念仏門に入るべきことを勧めている。専修念仏を説く釈疏は多いと述べ、善導観経疏定善義や『往生礼讃』の文をあげ、さらに三心の説示ののち、曇鸞道綽善導らが念仏を修した例をあげたり、基『西方要決』や、法照の伝記の『大聖竹林寺記』の文をあげ、専修念仏を勧めている。また、阿弥陀仏本願を薬師仏や千手観音誓願と比較して、これらには、不取正覚の誓いがなかったり、未成仏であったりするが、弥陀の誓いにはそれがあり、すでに成仏していると強調し、この弥陀の誓いを信じて、専修念仏を信じ、称念すべきであると説く。


【所収】聖典四、昭法全、浄全九、『龍谷大学善本叢書 元亨版和語灯録』、『親鸞聖人真蹟集成』六


【執筆者:角野玄樹】