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往生礼讃聞書

提供: 新纂浄土宗大辞典

おうじょうらいさんききがき/往生礼讃聞書

一冊。良忠は、建長六年(一二五四)頃から正嘉元年(一二五七)頃まで、東国(常陸・上総・下総)に赴いて善導の著作を講説するなどの教化活動をしており、本書はその際の講録の一つ。現在神奈川県立金沢文庫良聖書写本が蔵されている。奥書には、良聖が、康元二年(一二五七)正月一四日、上総国伊南関郷常楽寺において他者の『往生礼讃聞書』を借用して書写したとあるのみで、作者は不明。本書については良忠撰『往生礼讃私記』の草本であるとする見解がある。


【参考】塚本善隆「金沢文庫所蔵浄土宗学上の未伝稀覯の鎌倉古鈔本」(浄土学五・六、一九三三)、恵谷隆戒『浄土宗第三祖然阿良忠上人伝の新研究』(金尾文淵堂、一九三四)、坪井俊映「鎌倉時代に於ける群疑論釈書について—特に金沢文庫所蔵群疑論見聞—」(日仏年報二一、一九五六)、日置孝彦「東国浄土教における良忠上人—付 称名寺蔵金沢文庫保管鎮西義典籍解題—」(『仏教文化研究』三二、一九八七)


【参照項目】➡往生礼讃往生礼讃私記


【執筆者:米澤実江子】