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四恩学園

提供: 新纂浄土宗大辞典

しおんがくえん/四恩学園

大阪における児童擁護の中心的役割を担う社会福祉法人。大阪市住吉区苅田。大正四年(一九一五)、在阪の宗教大学出身者によって大阪四恩報答会が設立され、同九年、園舎建設に伴い創設された(会長・六花真哉一心寺住職)。不就学児童の教育や子供会、自由労働者の日掛け貯金を設置するなどの活動を行い、昭和二年(一九二七)には無料診療所を開設。同九年、生活協同組合方式から財団法人に改組、同一〇年、鉄筋三階の園舎が完成、自由労働者対象の無料宿泊所に利用する。その後、大戦の空襲による戦火で木造園舎は全焼したが、鉄筋部は免れ、戦後、戦災孤児収容施設として活用され、乳児院・診療所も併設した。同二四年、一心寺境内に児童擁護施設を新築。同二七年に社会福祉法人に改組(代表・林文雄)される。同三六年に「釜ヶ崎暴動」がおこり、事態沈静化のため、国・大阪府が労働福祉センターを開設するに伴い、やむを得ず施設等を大阪府に譲渡。同三八年、住吉区苅田に乳児院・診療所を新設し、同四二年には隣接する市立苅田保育園の運営を委託され、大阪市初の保育園民営化となる。現在では保育園の運営を中心として、デイサービスセンターの運営なども行っている。


【参考】浄土宗総合研究所『浄土宗社会福祉施設総覧』(二〇〇八)


【執筆者:上田千年】