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お守り

提供: 新纂浄土宗大辞典

おまもり/お守り

災難を逃れるために身に付けるもの。一般には、社寺で発行する護符・御札等を守り袋に入れた懸守かけまもりや子供の産着の背中に色糸で縫飾する背守せまもりなどをいうが、広義には、木の枝や髪の毛、硬貨など携帯可能なものであればお守りになる。懸守の起源については、陰陽道の符呪とする説や、寺院祈禱のために唱えた経名と読経の回数を記した巻数かんじゅから発展したとする説など複数あり、すでに『明月記』に「護袋」の語がみられる。また、『春日権現験記絵巻』には巫女が懸守をしている図が確認できることから古来男女問わず用いられていたと言えよう。遺品としては四天王寺に平安時代の貴族が用いたと考えられる懸守が残存している。また、藤原秀衡のミイラにも懸守がかけられていた。


【参考】国史大辞典編集委員会編『国史大辞典』二(吉川弘文館、一九八〇)、『日本史大事典』一(平凡社、一九九二)、宮地直一・佐伯有義監修『神道大辞典』(臨川書店、一九三七)


【参照項目】➡護符


【執筆者:松野智章】