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明月記

提供: 新纂浄土宗大辞典

めいげつき/明月記

五四巻。別名『照光記』『定家卿記』。藤原定家一九歳の治承四年(一一八〇)から七四歳の嘉禎元年(一二三五)に至る日記。散逸部分も多いと考えられる。ほぼ定家の全生涯にわたる五六年間の記述があり、長期にわたり歌道をはじめ宮中の政治動静を知ることのできる重要な資料。専修念仏停止ちょうじ法然の流罪、さらには弟子の処刑がなされた建永の法難に関する前後など、浄土宗成立前後の社会的動静を知る資料の一助をなす。また法然式子内親王出家時の戒師を務めたと推測する建仁二年(一二〇二)八月二二日の記事の存在は注目される。


【所収】『明月記』(国宝、冷泉家時雨亭文庫蔵)、『明月記』全三巻(国書刊行会)


【資料】今川文雄訳『訓読明月記』全六巻、『大日本史料』四—七


【参照項目】➡藤原定家


【執筆者:魚尾孝久】