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Z1540 念仏無上醍醐編 諦忍 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0162A01: 邊光と號す。是大經所說の十二光佛の內の無邊光佛
Z15_0162A02: なり。仍て揩定記無邊光者。此名
Z15_0162A03: 陀尊[なり]已上中尊を觀自在王如來と號し。二脇侍を觀
Z15_0162A04: 自在無邊光と號す。全く是同名なり。觀音相好與
Z15_0162A05: ナルヿと云ひ。見レハ勢至一毛孔。卽見十方諸佛
Z15_0162A06: と說に就ても。二菩薩全く佛身と同格なる義明白
Z15_0162A07: なり。三尊旣に皆同一體なる故に。觀音勢至の極樂
Z15_0162A08: に住持し給へるは。卽ち彌陀の住持し給へるなり。
Z15_0162A09: 三尊宛も鼎の三足の如く[鼎]字の三點の如く。全く優
Z15_0162A10: 劣なし。是密敎不共の極談なり。當麻の變相を拜す
Z15_0162A11: るに。三尊の身相光明臺座等。全く同等にして差別
Z15_0162A12: なし。是古今の奇特なり。善導大師の釋も亦然り。
Z15_0162A13: 是亦千古の絕唱なり。光前絕後と謂つべし。かの觀
Z15_0162A14: 經疏定善義に曰。三華獨逈超タリ衆座已上般舟讚曰。
Z15_0162A15: 三華獨カ〓タリ衆座。三身對坐[シテ]最爲尊。已上此說當麻
Z15_0162A16: 變相と符節を合せたるが如し。若夫師弟の儀ならば
Z15_0162A17: 豈是の如く同等に對坐傲居するの理あらんや。又夫
Z15_0162B01: 彌陀は他受用報身なり。二大士は因位十地の菩薩な
Z15_0162B02: り。豈因位の菩薩と報身無邊の色像と身量同等なる
Z15_0162B03: の義あらんや。正に知べし此一件。常途の法相を以
Z15_0162B04: て判じ難く。凡夫の思慮を以て測るべからざること
Z15_0162B05: を。今如來內證祕密敎より見るときは。二大士卽ち
Z15_0162B06: 彌陀にして。宛も[鼎]字の三點の如くなるが故に。疑
Z15_0162B07: 氷悉く消融する者なり。此意を得て觀音授記經を見
Z15_0162B08: ば。互爲主伴の義掌を指すが如くならん。凡そ三尊
Z15_0162B09: 同一體の義密部の常談なりと云へども。是を外面に
Z15_0162B10: 顯はれ出すは當麻變相及び善導觀經疏般舟讚なり。
Z15_0162B11: 然に當麻變相は親しく彌陀觀音の手より出現し。善
Z15_0162B12: 導大師は卽ち彌陀の化來なるが故に祕密の奧義を顯
Z15_0162B13: 現すること一模に脫印するが如し。(マコト)に不可思議な
Z15_0162B14: りと謂つべし。又(タヾ)彌陀の三尊のみならず不勤の三
Z15_0162B15: 尊も[鼎]字の三點の如く內證一體なり。詳に不動使者
Z15_0162B16: 法に見たり。文殊の八大童子も亦然り。故に文殊儀
Z15_0162B17: 軌には八智尊とも八文殊とも名けたり。是等の例甚

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