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Z1540 念仏無上醍醐編 諦忍 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0161A01: に諸佛に超たる無量壽命の佳名を得給へり。普々の
Z15_0161A02: 諸佛すら應身の外は一たび成等正覺の後は。遂に入
Z15_0161A03: 滅することなし。何に況んや諸佛に超給へる無量壽
Z15_0161A04: をや。仍て大日經疏曰。以衆生界無盡。諸佛大悲
Z15_0161A05: 方便亦無終盡。故無量壽已上然に彌陀實に隱沒
Z15_0161A06: の相を現ぜば。諸佛の大悲方便も且く已んもの歟。
Z15_0161A07: 理に應ぜざる所なり。方に知べし。諸佛の大悲方
Z15_0161A08: 便は三世に涉て常恒なり。十方に遍じて不改なるこ
Z15_0161A09: とを。今密敎に依て見るときは。彌陀は三世常住淨妙
Z15_0161A10: 法身の大日尊なるが故に。入滅もなく又隱沒もなし。
Z15_0161A11: 授記經の說は止是互爲主伴各說妙法の義なるのみ。
Z15_0161A12: 法華經の意にては穢土の應身すら入滅なしと說り。
Z15_0161A13: 故に壽量品に曰。常靈鷲山及住處。衆生見
Z15_0161A14: 劫盡大火一レ燒時安穩ニ[シテ]天人常充滿已上
Z15_0161A15: や彌陀は淨土の報身なり。何ぞ入滅するの理あらん。
Z15_0161A16: 華嚴經にも普ルニ古來今。無滅度と說き。華
Z15_0161A17: 嚴指歸及び宗鏡錄に。舍那佛常[シテ]華藏恒時說法。元
Z15_0161B01: 𣵀槃常住ナルカと云へり。極樂則ち華藏世界なり。
Z15_0161B02: 彌陀卽ち毘盧遮那佛なり。旁以て𣵀槃隱沒等の事な
Z15_0161B03: きこと必せり。又四十八願の中に壽命無量の願あり。
Z15_0161B04: 彌陀若し入滅せば。此願忽ち虛妄と成らん。此義如何
Z15_0161B05: が通ぜんや。大經を取らば授記經は用ゆべからず。
Z15_0161B06: 授記經を用ひば大經は取べからず。又中陰經に觀音
Z15_0161B07: 曰。我師無量壽。永劫不滅盡已上此文不入滅の
Z15_0161B08: 義灼然たり。右の外に又各別の祕義あり。今正に開
Z15_0161B09: 示せん。觀音卽ち彌陀なるの義は前の段に委く論ず
Z15_0161B10: るが如し。止觀音のみならず。勢至も又彌陀なり。
Z15_0161B11: 所以者何となれば。勢至は胎藏曼荼羅の內の觀音院
Z15_0161B12: に在せり。觀音院の諸聖衆は殘らず觀音なり。是故
Z15_0161B13: に密家にては勢至を觀音部に入れて得大勢觀音と名
Z15_0161B14: るなり。勢至の合掌はこれ未敷蓮の印なり。是則ち觀音の印なり。此故に善無畏の譯の
Z15_0161B15: 慈氏菩薩念誦法曰。左得大勢至觀自在菩薩已上
Z15_0161B16: れ得大勢至の四字を以て觀音の標德號とせり。若然
Z15_0161B17: らば勢至も又卽ち彌陀如來なり。加之勢至を又は無

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