浄土宗全書を検索する
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| 巻_頁段行 | 本文 |
|---|---|
| Z15_0160A01: | 略念誦經には。三時四時行法の餘暇には。行人常ニ住セヨ二 |
| Z15_0160A02: | 觀音ノ三昧ニ一と說り。是亦行者卽ち觀音なるの義なり。 |
| Z15_0160A03: | 孟子にいかなる人も孺子の井に入んとするを見ては |
| Z15_0160A04: | 必ず惻隱の心あり。これ仁の端也と云へり。此仁則 |
| Z15_0160A05: | ち人人個個自性本具の觀音なり。儒家にては仁と云ひ。佛家にてば大悲と云。 |
| Z15_0160A06: | 普門品に衆生若し苦難に遇とき觀音の名號を唱れ |
| Z15_0160A07: | ば。卽時に解脫すと說るも。實には一切衆生卽ち觀音 |
| Z15_0160A08: | なるが故に。その感應速なるなり。彌陀の乃至一念の |
| Z15_0160A09: | 者をも救ひ給ふも。其實には一切衆生則ち彌陀觀音 |
| Z15_0160A10: | なるが故に。其感應速なるなり。理趣釋外金剛會品ニ |
| Z15_0160A11: | 曰。一切有情不レ離二妙觀察智性ヲ一。是故ニ如來說ク二一切有 |
| Z15_0160A12: | 情妙法藏ト一。妙法藏トハ者觀自在菩薩[なり]也。已上此妙觀察智 |
| Z15_0160A13: | は正しく是彌陀の德用なり。一切衆生皆是を具する |
| Z15_0160A14: | と說は。一切衆生卽ち彌陀なるに非ずや。觀經に若シ |
| Z15_0160A15: | 念佛スルモノハ者是レ人中ノ芬荼利華なりと說給ふも。念佛す |
| Z15_0160A16: | る者。則ち彌陀觀音なるの義なり。芬陀利華は彌陀 |
| Z15_0160A17: | 觀音の三昧耶形なればなり。熊谷蓮生を呼で坂東の |
| Z15_0160B01: | 阿彌陀佛と云ひしも此義ゆへなり。伊豫の法界寺の |
| Z15_0160B02: | 老尼念佛して佛身と現じ。法燈國師石上に坐して觀 |
| Z15_0160B03: | 音の形と成り給へるも。此義ゆへなり。是等の實義 |
| Z15_0160B04: | を以ての故に。臨終の時觀音必ず蓮華臺を持し來て |
| Z15_0160B05: | 我等に與へ給へり。此蓮華臺。元來他物に非ず。我 |
| Z15_0160B06: | 等が念佛を種として。七寶池中に生ぜる者にして。 |
| Z15_0160B07: | 又我等が胸中に在る八瓣の肉團と。無二無別なり。 |
| Z15_0160B08: | 此八瓣の肉團とは先に所謂る一切有情妙法藏の事に |
| Z15_0160B09: | して。又是先に謂所の觀音八葉曼荼羅なり。觀音則 |
| Z15_0160B10: | ち彌陀妙觀察智の本主なり。密家所談の彌陀觀音同 |
| Z15_0160B11: | 體の深義玆の如し。止止不レ須ラレ說ク我カ法ハ妙ニ[シテ]難シレ思。 |
| Z15_0160B12: | 觀音授記經祕釋 |
| Z15_0160B13: | 觀音授記經に。當來不可計劫に彌陀佛𣵀槃に入給ふ |
| Z15_0160B14: | べし。其後唯觀音勢至のみありて。極樂に住持して。 |
| Z15_0160B15: | 十方衆生を接引すと說り。是に就て古來寶性論の報 |
| Z15_0160B16: | 身。休息隱沒の相を現ずる說を引て會通すと云へど |
| Z15_0160B17: | も。未だ痛快ならず。所以者何となれば。彌陀は旣 |