ウィンドウを閉じる

Z1540 念仏無上醍醐編 諦忍 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0158A01: なり。又無量壽儀軌及び降三世大儀軌等に觀音曼荼
Z15_0158A02: 羅を(トク)には。八葉開敷の大蓮華を畫き。その中臺に
Z15_0158A03: 觀音を安じ。八葉に八佛を安ぜよと云へり。弘法大
Z15_0158A04: 師の作の次第に其圖を出して。中臺竝に八葉に各[?]
Z15_0158A05: 字を(スエ)給ふ。合して九の[キリク](キリク)字なり。覺鍐の五輪九字
Z15_0158A06: 祕釋にも中臺八葉セヨ[キリク](キリク)と云へり。是則
Z15_0158A07: ち八佛は八阿彌陀佛なり。因位の菩薩として果上の
Z15_0158A08: 佛を眷屬とすることは(イト)奇怪の事なる故に。古來種
Z15_0158A09: 種の料簡を立たり。或は密敎は本有門を宗とする故
Z15_0158A10: に。本有因迷の觀音を中央に安じ。修生始覺の彌陀
Z15_0158A11: を邊葉に安ずと云ひ。或は觀音は諸佛大悲の體なり。
Z15_0158A12: 佛心者大慈悲是の義なるが故に中央に安じて其尊貴
Z15_0158A13: なることを示すと云へり。其外異說多端にして。蘭
Z15_0158A14: 菊各美を擅にせり。中に就て賴瑜の說には(コレ)(タタ)互爲
Z15_0158A15: 主伴の儀なりと云へり。此說甚だ道理に(シタ)し。旣に
Z15_0158A16: 二尊內證同體なる上は。或時は主と成り。或時は伴
Z15_0158A17: と成て。互に利益を施し給ふなるべし。强て穿鑿を
Z15_0158B01: 勞するに足ざる者なり。旣に大日を邊葉に移して。
Z15_0158B02: 餘尊を中臺に安ずることあり。慈氏儀軌曰。中臺畫
Z15_0158B03: 彌勒東方セヨ大日已上五重結護曰。中臺阿閦。以
Z15_0158B04: 大日東方已上是密敎の常例なり。怪しむに足ら
Z15_0158B05: ず。譬へば紀信は漢の高祖の車に乘り。花山院(モロ)(カタ)
Z15_0158B06: は後醍醐天皇の車に乘しが如し。各各時の宜きに隨
Z15_0158B07: ふ。何ぞ定方あらん。是等の義に依て見れば。觀音
Z15_0158B08: 受記經に彌陀入滅の後。觀音勢至其處を補ふと云
Z15_0158B09: も。唯是互爲主伴の儀ならんのみ。此事猶下の段
Z15_0158B10: に委く論ずべし。互爲主伴とは。祕藏記に曰。毘盧
Z15_0158B11: 遮那經ニハ[ア]()字爲毘盧遮那種子[ウン](ウン)金剛薩埵
Z15_0158B12: 。金剛頂經[ウン](ウン)毘盧遮那種子[ア]()金剛薩
Z15_0158B13: 種子。金剛界儀軌如此每會此字相代。當
Z15_0158B14: 互爲主伴之義[なり]也。已上宗鏡錄曰。華嚴入法界品中。始
Z15_0158B15: 於文殊末至彌勒普賢。五十二善知識。各各處[シテ]大道
Z15_0158B16: 。互主伴舍那境界已上今又是に例して
Z15_0158B17: 知べし。猶又此八葉曼荼羅に就て珍說あり。賴瑜の

ウィンドウを閉じる